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褒めるのはよくない?

一概には言えない、という事ではないでしょうか。

「ほめる教育の落とし穴」とおっしゃった先生がおられました。

「褒められるからやるんだ」と言う人がよくいるが、それはどうだろう。「できたことを褒める」を続けると「できる問題しかしなくなる」。

できない問題はやらなくなってしまう、

つまり人生においてとても大事な「チャレンジ」をしなくなってしまうのですね。

 

これは野球でも一緒です。できたとかやれた事を褒めると、面白い事に難しいプレーには挑戦しなくなります。無難に行くだけ。

試合を見てても全く面白くないチームが出来上がります。

 

それと同様の話で、TVのCMなどで派手に宣伝している全国チェーンの教室の勉強の進め方を見ていると、パターン化した問題を何度も繰り返して覚えていくので、その時は「できた。できた」となるのです。ですが、その中には子どもにとって大切な「思考を鍛える」という部分はありません。

意味もわからずに、解き方だけのパターンで覚えてしまうと応用することがありません。単純に「作業」しているだけなのですね。

その意味がわからずに繰り返していくと力がつかないのです。当たり前ですよね。

 

ウチの塾生にも、以前そういう教室に通ってた子が来るのですが、みな例外なく、難しい問題やちょっとできない問題になると投げてしまいますし、国語の文章など読まずに答えます。「前はそれでできたもん」できたんじゃなく、作業をして褒められただけなんですよね。

算数で言うと簡単な計算しかやらなくなり、文章題などハナから読まずに数字だけ見て、あてずっぽうで式を書いて計算していきます。答えが合うはずがないですよね。「計算は得意やねんれど…」という風になってしまうわけですねぇ…。

本当は、難しい問題であっても頭に汗をかいて、絵を描いたり、図示したりしてその問題を崩していくわけです。

そして、解くようにするのです。それこそが、社会で活躍するために本当に必要な「勉強」になります。

大切なことは「思考力を鍛える」こと。これからやるべきことは、小学生のときは特に考えることです。できない問題でも、「結果を恐れず前向きにチャレンジする」事です。

 

自分ができた達成感も無論大事ですが、自分がチャレンジした、という姿勢を、結果はどうあれ褒めてあげる。これこそが最も大事なのではないかと思うのです。本当に野球でも全く同じですわ。