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自主性を育てる

私の野球の指導は、昔から自主性を重んじてきました。

まず選手自ら考えてみて、それをやってみて、ダメだったらまた考えてやり直す。

こちらはその都度考えるようにアドバイスするだけ。知識としてはこういうモノだとは教えますが、方向性を示してやる以外に、具体的な方法についてはほぼ言いません(どうしてもわからんと言うて来た場合は助け舟を出しますが)。

しかし一緒に指導してたコーチは、「それでは回りくどい。こうしなさいと言って最初からやらす方が時間がかからず手っ取り早い。より多く練習できる」と言っていました。

そして私が仕事の事情でそのチームから退き、そのコーチがそのチームの監督となったのですが、あれから10年経っても未だにそのチーム、結果は出ておりません。

当然ですよね。だってこのやり方、この指導者の願う「姿」からドンドン遠ざかっていきますよ。

 

急ぐ必要はありません。

時間がかかってもいい。

子どもにとって、ひとつ自主的にやれた!という事実が更なる自信を生み、確実に次の自主性に結びつきます。

だから、安心して見守ってあげるべきですね。

 

この自主性を育てる親の接し方に無二の答えはないでしょうが、中学生野球チーム長年指導して来て、どのチームでもこう思っていました。

「指示命令では、一見子どもが自主的に動いているように見えるが、子どもの目的は常に「怒られないように」である。だから、そこから主体性は生まれない。」

 

主体性に繋がる自主性の育成には まずは言葉で「やるべきこと」「なぜそれが必要なのか」を理論的に納得させ、「指導者の行動」で「感情的に」納得させる。

そして選手自ら体験し腑に落ちる。

 

「理論的に納得する」→「感情的に納得する」→「体験する」

これを繰り返し続けることで習慣化する。

  

根気と努力が必要ではあるが、そこで得た「自主性」は「主体性」へと変わり、子どもの可能性は無限に広がる。

 

子どもの自主性を育てるには根気がいる。

でも、その親の努力には子どもの可能性という大きなプレゼントが待っています。

 

よ~し、何100回でも優しく見守ってやる~と決心してみると、イライラも治まる気がしませんか。