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英語は「暗号」ではない。

高校の頃、バッテリーサインに乱数表を使ってたことがありました。

数字を羅列した表を作っておき、投手のグラブと捕手のミットにそれぞれ貼っておく。それだけではなくハンドサインで出した数字から表にある数字をかけ算したりたし算ひき算して球種を決める、という、今から考えるととてもややこしい事をしていました。そんなんですから、もちろん解読されたことなどありませんでしたが。

しかしここからが問題。

我が1年上のドラフト2位投手は頭が良かったので何の問題もなかったのですが、同級生投手は脳ミソの不自由な方だったので何度もサイン違いして、私がよくパスボールを「させられた」ものであります。
怒られるのは全て捕手。知らん顔するなよな!

 

なんでこういう事を書いたか、というと、英語の長文問題を全部日本語に訳してから問題を考える、という恐ろしいやり方で英語を乗り切ろう、などという不届き者がいたからなのであります。

そもそも、英語を全部日本語に訳して…なんて、もはやそれは英語の勉強ではなく、「暗号の解読」やないですか。乱数表解読どころではありませんぞ。

  

先日の「英語はまず日本語から」の話で読者から、「受験英語はまず英語を日本語に直してから考えるもので、そうすると英語会話などやってられない、だから英語は英語で理解すべし」というご指摘を頂きました。

全くその通りでしてね。

 

当塾では速読聴英語をやっているため、その受講生は英語を英語で理解するのが当然なのだが、受講してない生徒はやはりそれが難しいのでありますな。

親御さんで、ご自身が英語をすべて日本語に訳して、そこから長文問題を解くというやり方をされてたのを、そのまま我が子にやらせていたというご家庭がありました。

その生徒に私、「そんな事をしてたら、高校入試の長文問題なぞ解く時間ないぜ。たった今からそのやり方やめて、日本語で読むみたいに読んだら即、頭にその情景が浮かぶように読む訓練しよう」

すごく不思議そうな顔をしていましたが、実際に問題やってみるとやはり日本語に直していては時間が足らず太刀打ちできない。しぶしぶ「はぁ、ナルホドそうですねぇ…」と。

  

しかし、実際英語読んでも日本語にしないと全く何が書いてあるのかチンプンカンプン。分からないから問題が解けないので、ずーっと今までそのやり方を続けていたのですね。あれだけ口酸っぱく言っても、であります。
入試は2月。さあどうなる?大事な模試や過去問やってて、限られた時間が来ても3割もできないのです。できるはずがない。

 

 何事も、パッとやってすぐできるなら、誰も苦労はしません。それを時間をかけてもできるようになるのが「訓練・トレーニング」なのであります。なぜそんな事がわからないのか…。

  

 

目先の事しか見えぬとこういう事になるという典型である。